省エネ適合判定物件 設備図面の作成について        ~給湯設備編~

省エネ適合判定物件においては、計算に使用する各数値の根拠を必ず求められます。機器表には各能力値と参考品番の記載をお願いします。
届出時に機器が選定出来ない場合は、計算上必要な各能力値(下記②参照)と、JIS番号の表記(下記③参照)をすれば、参考品番の記載は不要な場合もあります。
工事途中で設備機器に変更が生じた際は、完了検査前に変更届(軽微な変更届等)の提出も必要となります。

今回は給湯機器編です。

各機器の参考品番を明記してください。(例1)

給湯1
給湯2

メーカー仕様書の数値や記載事項との整合を図ってください。(例2)
給湯設備の場合、以下の項目の記載をお願いします。
ガス、電気などの種別
定格加熱能力
 →ガス給湯器の場合は号数でも構いません。電気温水器(給湯器)の場合は消費電力の値が必要です。
定格消費電力(ガス給湯器の場合も必要です。)
定格燃料消費量(ガスの場合)
給湯配管保温仕様
自動給湯栓、節湯B1機能(浴室シャワーの少流量吐水機能)のある給湯水栓の記載
※給湯器を連結する方式の際は、記載する各能力や台数の表記に関してご注意ください。

JIS規格による各性能値根拠の記載が必要です。(例3)
主な給湯機器の省エネ計算に関連するJIS規格番号をまとめましたので、ご参考下さい。

・ガス給湯器        ⇒ JIS S 2109(JIS S 2075)
・ガス給湯暖房機      ⇒ JIS S 2112
・石油給湯器(給湯単機能)  ⇒ JIS S 3024
・業務用ヒートポンプ給湯器 ⇒ JRA4060
・貯湯式電気温水器     ⇒ JIS C 9219
・電気瞬間湯沸器      ⇒ JIS C 9335-2-35

給湯配管保温仕様について
細かい点ですが、給湯管の保温は一次エネルギー消費量に大きく影響する重要な算定項目です。
通常は、特記仕様書での記載(”公共工事標準仕様書による”等の表現も含む)が多いですが、審査機関によっては、配管保温の施工範囲の根拠が必要とされ、単に「給湯配管保温材○○mm」という文言だけでは不足との指摘を頂く場合があります。
その場合は、例4の様に熱源から水栓まで保温材施工の概略図を追記することで対応出来ています。(例4)

給湯4改
給湯配管保温仕様の、省エネ計算の算定基準は以下の表を参照下さい。

給湯配管保温仕様
配置図の作成について(例5)
・各熱源の位置、台数を明確に記載下さい。
・熱源から各水栓までの配管の流れが明確に判る図面表記が必要です。
・ホテル等、給湯系統が複雑な場合は系統図を求められる場合もあります。
・増築工事等で、既設建物と熱源を共用する設備に関しては、既設建物の関連部分の図面が必要な場合もあります。

給湯5

⑥ 電気式の給湯機器について
電気温水器等の利用がある場合、一次エネルギー消費量が大幅に大きくなります。場合によっては基準値を超え適合しない場合もあります。その際は機器や保温仕様の見直し、あるいは他の設備の効率化が必要となります。